2026/09/09 15:16
冷蔵庫から出したばかりの水はおいしいのに、しばらく置いてぬるくなった水は、どうにも飲む気がしない。
同じ水なのに、なぜここまで違うのでしょうか。
多くの人はこれを「温度の問題」だと考えています。でも実際には、少し違います。常温になった水がおいしく感じないのは、冷たさが隠していたものが表に出てくるからです。
つまり、常温で飲めるかどうかは、その水の質そのものを問うています。
冷たい水は、味を隠している
昭和60年、当時の厚生省が設置した「おいしい水研究会」は、おいしい水の水質要件を7項目にまとめました。硬度、蒸発残留物、遊離炭酸、残留塩素、臭気度、過マンガン酸カリウム消費量、そして水温です。
このうち水温の要件は、最高20℃以下。冷たいほうがおいしく感じられる、というのは公的な基準にもなっている感覚です。
ただし、ここには続きがあります。冷えすぎた水は口の中の感覚を鈍らせ、かえって味を感じにくくするとも指摘されているのです。
5℃前後まで冷やした水を飲むとき、私たちが最初に受け取っているのは「冷たさ」という刺激です。喉を通る感覚が前面に出て、水そのものの味は後ろに退きます。
これは裏を返せば、冷やしさえすれば、たいていの水はそれなりにおいしく飲めるということでもあります。冷たさが、水質の粗さを覆い隠してくれる。
ところが常温、およそ15〜25℃になると、この覆いが外れます。温度の刺激がなくなった舌は、水に溶けている成分をそのまま拾い上げるようになる。
「常温にするとまずくなる水」は、まずくなったのではありません。もともと持っていた味が、ようやく見えるようになっただけです。
常温で飲みやすい水の3つの条件
では、冷やさなくても抵抗なく飲める水とは、どういう水なのでしょうか。
条件1|硬度が低いこと
硬度とは、水に含まれるカルシウムとマグネシウムの量を示す数値です。
おいしい水研究会の整理でも、硬度の低い水はクセがなく、硬度が高い水は口当たりが重くなって好き嫌いが分かれるとされています。
冷やしているうちは、この「重さ」はあまり気になりません。冷たさが勝つからです。けれど常温になった途端、口の中に残るざらつきや、飲み込んだあとの膜のような感触として立ち上がってきます。
条件2|においがないこと
温度が上がると、においは立ちやすくなります。料理と同じで、冷たいものは香りが閉じ、温まると開く。
水道水を常温で飲もうとすると多くの人が抵抗を感じるのは、残留塩素によるカルキ臭が、常温では隠れずに出てくるからです。冷蔵庫でよく冷やせば気にならなかったにおいが、コップに注いで数分置いただけで気になり始める。
常温で飲む前提の水を選ぶなら、においの少なさは硬度と同じくらい効いてきます。
条件3|口当たりがまろやかであること
硬度が低いだけでは足りません。実際に飲んだときの、喉の通り方。
きれいに濾過された水は「軽い」のですが、軽すぎると味気なく、水を飲んでいる実感が薄くなることがあります。常温で毎日飲み続けるなら、軽さとまろやかさが両立していることが大切です。
こればかりは数値では測りきれないので、最終的には飲んでみるしかありません。ただ目安として、硬度が極端に低く、かつ地下深くの地層をゆっくり通ってきた水は、この条件を満たしていることが多いようです。
常温で水を飲む習慣の始め方
条件がわかったところで、実践は驚くほど簡単です。
まず、冷やさない。常温の水をつくるのではなく、そもそも冷蔵庫に入れないでおく。キッチンや食卓に出しておけば、それがそのまま常温です。
起き抜けの一杯から。一日のうちで最も冷たい水を避けたいのは、起きてすぐのタイミングだという人が多いようです。枕元やキッチンにコップ一杯分を用意しておくところから始めると続きます。
白湯にするのもひとつ。常温がどうしても物足りない場合は、少し温める。同じ水でも、温度を変えると印象が変わります。硬度の低い水は、温めても重さが出にくいのが特徴です。
料理やお茶にも同じ水を。日本茶や出汁は、軟水のほうが素材の香りが立ちやすいと言われています。飲用と調理を同じ水でまかなえると、大容量で買う意味が出てきます。
保管はシンプルに。直射日光の当たらない場所に置き、開封後はなるべく早めに飲みきる。水にはにおいが移りやすいので、洗剤や芳香剤のそばは避けてください。
常温で飲むためにつくられた水、SACLA
鹿児島県垂水市。桜島と錦江湾を望むこの土地の、地下800メートルから汲み上げているのが SACLA です。
もともとは温泉水です。湧出温度は49.5℃。地上に出てきたときには、そもそも冷たくない水でした。
水質は次のとおりです。
・硬度 / 1.4 mg/L(超軟水)
・pH / 9.8(天然アルカリイオン)
・ORP(酸化還元電位)/ −390 mV ※源泉直後の測定値
・天然水素 / 0.55 ppm ※東京工業大学(現・東京科学大学)の調査による
・採水地 / 鹿児島県垂水市 たるみず3号温泉
注目していただきたいのは硬度です。1.4mg/L は国内でも最高水準の超軟水にあたります。この記事で挙げた条件1を、数値の上ではっきり満たしています。
添加物は一切加えていません。泉源から直接つながる環境で製造し、鮮度を保ちやすい10LのBIB(バッグインボックス)でお届けしています。ペットボトルと違って、飲んだぶんだけ容器が縮むので、空気に触れにくい構造です。
冷やしてもおいしく飲めますが、SACLA は冷やさなくてもおいしいことを前提に選んでいただきたい水です。
よくある質問
Q. 常温とは何℃くらいのことですか?
A. 一般には15〜25℃程度を指します。室温に置いた水がおおむねこの範囲に落ち着きます。季節によって幅は出ます。
Q. 硬度が低い水と高い水では、常温でどう違いますか?
A. 硬度が高い水は口当たりが重くなり、飲んだあとに独特の余韻が残りやすくなります。冷やすと目立ちませんが、常温では感じ取りやすくなります。硬度が低い水はクセが出にくく、常温でも飲みやすい傾向があります。
Q. 水道水を常温で飲んでも大丈夫ですか?
A. 日本の水道水は水質基準を満たしていますので飲用できます。ただし残留塩素によるにおいが常温では感じられやすくなるため、味の面で抵抗を感じる方もいます。
Q. 温泉水を常温で飲んでも問題ありませんか?
A. 飲用可能な水質検査を通っている温泉水であれば問題ありません。SACLA は飲用としての基準を満たした水を、そのままボトリングしています。
Q. SACLA は白湯にしても使えますか?
A. はい。硬度が低い水は温めても口当たりが重くなりにくいため、白湯にも向いています。お茶、コーヒー、出汁など調理全般にもお使いいただけます。
まとめ
常温の水がおいしくないのは、温度のせいではありません。冷たさが隠していた水質が、常温になって表に出てきているだけです。
だからこそ、常温で飲めるかどうかは、水を選ぶときのいちばん正直な物差しになります。冷やせばごまかせてしまうものが、常温では効かない。
冷蔵庫を開けなくても手が伸びる水。SACLA は、そこを目指してつくられた温泉水です。
一度、冷やさずに飲んでみてください。
